ドラマチックな結末

シーズン前半、圧倒的な強さをみせた奇跡の新人ハミルトン、、
そのままワールドチャンピオンを獲得するかと思われたが、待ったをかけたのはシューマッハを駆逐した最強王者アロンソだった、


シーズン中、徐々にポイントを稼ぎハミルトンに迫るアロンソ、、
しかしハミルトンも新人とは思えぬ安定感で崩れない。
今年のF1は2人の独壇場のように思えた。。


しかし、シーズン後半に入り、2人に忍び寄る男がいた、
不運の王子と呼ばれ、勝利から見放された男、ライコネンだ。
ハッキュネンの遺志を継ぐライコネンは劇的な追い上げによってハミルトンやアロンソと同じ土俵にあがりついた。。


ハミルトン107pt
アロンソ 103pt
ライコネン100pt


1位〜3位のドライバーズポイントの差がわずか7ポイント。
3名のドライバーにワールドチャンピオンの可能性があるとはいえ、ハミルトンの優位は揺るぎなく、ライコネンには厳しい状況、、
ハミルトンが守りきるのか、アロンソが意地をみせるのか、ライコネンが奇跡を起すのか。


終戦にまでもつれた三つ巴のチャンピオン争いは、ドラマチックかつエキサイティングな香りをはらんでブラジルのサンパウロで決する。。

予選で奇数列(ポールのマッサと3位のライコネン)のフェラーリに対してマクラーレンは2台とも偶数列(ハミルトン2位とアロンソ4位)、、



路面的に不利な偶数列からマクラーレンはホールショットを決められるのか?



そして向えた本選スタート、、



フェラーリの2台が見事なスタートを決め、1コーナーに突っ込み分厚い赤の壁*1を形成、



一方、スタートに失敗したマクラーレンの2台、、チームメイトのアロンソオーバーテイクされたハミルトンがスタート直後に痛恨のミスをし順位を大きく下げてしまう、、



レース開始3分での順位は1位マッサ、2位ライコネン、3位アロンソ、・・7位ハミルトン



ライコネン不利との下馬評を押しのけて、ハミルトンとアロンソライコネンを追う形でレースは幕を開いた。



フェラーリ勢を抜かし1ptでも多くポイントを稼ぎたい3位走行のアロンソは赤の壁を必死で追うが、壁は遠く分厚い、、



じわじわと赤に水をあけられていくアロンソ、、このままでは7位走行(入賞圏内)のハミルトンがワールドチャンピオンの座に・・



ところが、スタート直後のミスを取り戻しつつあったハミルトンが駆動系のトラブルでスローダウン、、



なんとか走行を続行することはでき、タイムもスローダウン以前と同等に戻ったが、18位までさらに順位を落としてしまう。



ハミルトンが入賞圏外に落ち、この時点での暫定ドライバーズチャンピオンはアロンソ



2位を走行するライコネンはチームメイトのマッサを抜きチャンピオンに王手をかけたいところ、



3人のトップドライバーそれぞれに極限のプレッシャーがかかった状態でレースはつづく。。



そのままレースは終盤に差し掛かり、大きく動いた。



2ストップ戦略のフェラーリの2回目のピットイン、まずはトップを走行するマッサがピットへ、、



その間、ライコネンはプッシュしてタイムを詰める、、



2週遅れてライコネンがピットイン、、



マッサが後続につかまったこともあり、ライコネンは1位でコースに戻ることに成功する。。



これで暫定チャンピオンが動いた、



1位走行のライコネンが10pt獲得、3位走行のアロンソが6pt獲得、8位走行のハミルトンが1pt獲得。


ライコネン 100pt+10pt=110pt
アロンソ  103pt+ 6pt=109pt
ハミルトン 107pt+ 1pt=108pt

こうなったのである。



ハミルトンとしては5位まで順位を上げたいところであり、アロンソは赤の壁を崩し2位にあがりたいところ、



二人にはものすごいプレッシャーがかかっていたことだろうが、トップを走行するライコネンには、また別の重圧がかかっていたであろう、



それは、彼が不運の王子と呼ばれる由縁、数年前最強の皇帝ミハエル・シューマッハを追い詰めながらも失敗、、その後、上位を走行してもマシントラブルに泣かされつづけた・・



最善を尽くしトップを走るライコネンに、あとできるのは祈ることのみ。。



そういう各々の緊張感が画面を越えて伝わってくるあと10周にも、クビサハイドフェルド(だったように思う)のあわや接触か、という攻め合いがあったりととにかくものすごいレースでした。



結局、ライコネンとマッサがワンツーフィニッシュを決め、アロンソが3位でゴール、、ハミルトンは必死の追い上げもわずかにとどかず7位でレース終了。



奇跡とも言える勝利によってライコネンが自身初のドライバーズチャンピオンを獲得、



来年のF1を予期するかのような接戦で2007年は幕を閉じました。



こりゃまたおもしろくなりそうですよ〜






納豆走行wで有名な中島悟、その息子である中島一貴のデビュー戦なども絡めたみどころの多いレースでした。



佐藤琢磨をさらりとオーバーテイクしたかと思うと、ピットクルーを撥ねたりとなんかコイツも盛り上げてくれそうですw

*1:フェラーリに頭を押さえられたの意、、赤はフェラーリの代名詞で、ミハエルが前車を追いかける際は赤のプレッシャーと言われた。